宮城県の北部、岩手県との県境にある登米市東和町の米川地区は 、その面積の85%以上を山林が占める自然豊かな地域で、戸数約1000戸・人口約2700人、年々人口が減る過疎地域です。
人口が集中しているのが国道346号と456号を結ぶ古い街道沿い。郵便局、銀行(現在はATMのみ)、診療所がありますが、 町の商業機能は空洞化しており、 昼間でも人の往来がほとんどない状態。

【米川地区、旧街道沿いに人口が集中】
【人の往来がほとんどない旧街道】

通りの端には宮城県北をベースに仙台圏、石巻圏などに展開する地元ローカルのウジエスーパーが店を構えていましたが、地元の方によれば10年以上前に閉店。現在は地元の方が営む小さな商店がいくつかあり、ほんの少し生鮮品の取扱いもあるようですが、あまり活発な売り買いがされている様子はありません。

この地区の商業に大きなインパクトを与えたのが、旧街道を避けて通る米川バイパスの開通(2003年)でした。それに合わせて、地域商業の建て直しを意気込む地元の有志がバイパス沿いに集合店舗を立ち上げました。その有志の一人である、及川力さんに取材をお願いし、お話をうかがうことができました。

【米川バイパスの開通に伴い開店した集合店舗】

現在、集合店舗には、飲食、青果、及川さんが営む電気店、薬局、コンビニが入居し、かつて旧街道沿いにあった買い物機能はバイパス沿いに集約しています。とくに地域の人たちにとって大きかったのが、病院から500mほど離れてしまった薬局。地域でアンケートを取るなど、決して強引な判断ではなかったようですが、当初は「なんで離れたところに!」という意見もあったとのこと。でも、時間が経つと地域のみなさんも慣れてくるようで、今では反対意見は聞かなくなったと及川さん。
もう一つ大きいのが、コンビニの入居。スーパーかコンビニに入ってもらおうということで話し合ってきた有志でしたが、結局、買い物以外にもATMや郵便受付など、地域に必要な機能を集約するコンビニを誘致する運びになったそうです。
現在、米川地区の隅々をカバーする乗り合いタクシーが走り、病院帰り薬局に寄るお年寄りが、ついでに買い物をしていくというサイクルができているとのこと。

及川さんは米川の乗り合いタクシー事業の立ち上げにも関わっているとのことで、事業の委託を受けている(有)米谷交通に連絡してもらいました。及川さんの取材後、米谷交通へ。次の取材で、一日乗り合いタクシーに同乗させていただくことになり、この日は取材を終えました。

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相沢 由介

1980年生まれ。 宮城を視るドキュメンタリーマガジン『IN FOCUS』の取材から編集、販売までを全て1人で行っています。

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